連載

涙雨 ~ 竹信大悟が撮ったこの一枚

文:竹信大悟 写真:竹信大悟
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月刊エアラインをはじめ数々の媒体で活躍する航空写真家が撮った一枚の写真。それぞれに、さまざまな背景があります。本連載ではそうした写真に関する一言コメントとともに、フォトグラファー渾身の一枚を紹介していきます。

 雨の話からボクの歴代カメラのシェイクダウンは!っと前回のネタ振りから続きますが。ボクはカメラを始めた頃からニコンのカメラを使っています。D3Sが出た頃にデジタルに完全移行して、今のZ9に至るまで、歴代フラッグシップ機を使ってきました。どういう訳か、歴代機のシェイクダウンは全て雨の日。その中でも忘れもしないD4S導入時のエピソードを少し。

 カメラが手元に届いた時、ちょうどインフルエンザに罹患してしまい、ロクにテスト撮影もできず、ぶっつけ本番のシェイクダウンはANA747のラストフライト前日、羽田=新千歳便の取材でした。ボクを含めたプレスご一行は到着前のランプで待ち構えるも、羽田を離陸すらしていません。みぞれ交じりの寒いランプで1時間以上震えて待ったでしょうか。カメラバックもカメラもそして本人もビショビショ。それでも到着を無事に撮影し、今度はデッキから出発を撮影。すべての撮影が終わり帰宅して、濡れた機材を点検したところ、我がD4S見事に電源が入りません。翌日あわててサービスへ持ち込んだところあえなく水没との診断。

 防塵防滴を過信したボクの落ち度です(涙)。そんな実体験があるにも関わらず、いまだに雨対策もロクにせず雨の撮影に出かけてしまうのです。皆さんは決してマネしないように。ジメジメ不快な梅雨を格好いい飛行機写真を撮って吹き飛ばしましょう。(あ、今でもボクのニコン機に対する信頼度は揺るぎませんのであしからず)

竹信大悟

竹信大悟

1975年生まれ。兵庫県出身。大阪は伊丹空港をベースに、航空会社のオフィシャル撮影や日本各地の空港で航空業界を切り取るフォトグラファーであり、年間300日以上サウナに入るプロサウナー。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。

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