737は、世代を重ねるごとにエンジンや主翼を新しくすることで経済性を高めてきたが、胴体断面や機首については初期型のままだ。
ANAが運航していた737-200。ごく少数が生産された737-100はさらに約2m短く、100席クラスの旅客機としては異例に胴体が太かった。
737-100のライバルだったDC-9-10は90席クラス。737よりもスマートなのはシートが横6席ではなく5席のためで、空気抵抗は小さかったはずだ。
DC-9シリーズ最長のMD-90は、初期型よりも胴体が約1.5倍に伸びて170席を装備。ただし同じ席数の737-8よりも約7mも長く、ほぼ限界の細長さ。
36席のサーブ340Bのキャビンは横3席配置。窮屈な印象はともかく、オーバーヘッドビンがきわめて小さく片側にしかないのが不便だった。
横4席配置のDash 8(Q400)やATRなどもオーバーヘッドビンが小さいため、大型機とは別の手荷物制限が適用される。乗り継ぎなどでは注意が必要だ。画像はDash 8(Q400)。
737よりも胴体幅を20㎝大きくしたA320。わずかな差なようでも、大型オーバーヘッドビンや、床下貨物室へのコンテナ搭載を可能にした。
E175(左)と見比べると、日本刀をイメージしたというMRJ(右)の細さがきわだつ。客室の広さはほぼ同等だが、床下貨物室の有無がこの差になった。
E175の床下貨物室には軽トラックの横付けでもアクセスできるが、MRJの貨物室床は客席と同レベルのためベルトローダーなどが不可欠だ。
TOP連載一覧キャビンの太さは、旅客機の経済性を左右する ~ 連載【月刊エアライン副読本】