フラップを下ろして着陸を試みる旅客機
フラップは揚力(正確には揚力係数)を増やして低速でも飛べるようにする装置だが、空気抵抗も増える。それを嫌う離陸時には着陸時よりも小さな角度を使う。
航空会社の訓練で使われているFFSで、両エンジンが停止しての滑空着陸をデモしてもらったことがある。機種は777-200で、PFDの表示から滑空中の速度は約160kt、降下率は750ft/minと読める。滑空比は21を少し上回るくらいだ。
着陸進入中のグライダー。そのままでは降下角が小さすぎて着陸がむずかしいため、主翼の上にスポイラーを立てて空気抵抗を大きくしている。
スプリットフラップを開いて着陸進入中のDC-3。フラップは主翼だけでなく胴体の下にまで伸びており、こうなるとほぼスポイラーと同じだ。
空母艦載機として開発された零戦もスプリットフラップを装備していた。降下角が小さいと、狭い空母にピンポイントで着艦するのがむずかしいからだ。
TOP連載一覧フラップは、揚力だけでなく抗力も増やす~ 連載【月刊エアライン副読本】