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JALで19年活躍した元JA735Jが離日。最後はJALグループ社員に見送られ羽田を出発
11月10日深夜、JALで登録記号JA735Jとして約19年間にわたって活躍したボーイング777-300ERが、その役目を終えて羽田空港から離日。売却先のあるアメリカ本土へとフェリーされた。
出発時にはJAL社員からのお見送りを受けて、長年を過ごした日本の地を後にした。
19年にわたり国際線を支えたフラッグシップ、退役後には見学イベントも開催
2009年8月の路線デビューから約19年にわたり、JALで登録記号JA735Jとして活躍し、今年9月に定期便ラストフライトを終えたボーイング777-300ERが、11月10日深夜に羽田を出発し、アメリカのアリゾナ州ツーソンへと旅立った。同機は2025年10月28日付でJALから登録抹消され、売却先へと籍を移しており、登録記号は「N3243Q」に変更済み。外観も全面白色の塗装へと変わっていた。
機体は11月10日23時47分、JALメインテナンスセンター1正面の212番スポットからブロックアウトし、日付が変わった11月11日0時1分に、C滑走路RWY34Rから離陸した。
JALが同機を受領したのは2006年7月19日、定期便の初フライトは同年8月1日の成田発香港行きJL731便であった。その後は747-400の後継機として長距離路線を中心に同社の国際線ネットワークを支え、約19年間にわたり運航。退役までの総飛行サイクル・総飛行時間はそれぞれ9,131サイクル、8万589時間30分に達した。
定期便としてのラストフライトは、今年9月8日のサンフランシスコ発羽田行きJL1便で、羽田には翌9月9日に到着。退役後は10月4、10、11日の計3回にわたり見学イベントが開催され、計118名が参加。多くのファンに惜しまれながら、JALでの役目を終えた。
フェリー準備もJALグループが担当、自らの手で機体を送り出す
退役したJALの777-300ERのフェリーフライトでは、ビジネスジェットやVIP機、政府専用機など、定期便以外の運航を幅広く支えるJALビジネスアビエーションが準備を担当した。今回の元JA735Jのフェリーフライトでは、売却先やJAL整備部門と連携し、スケジュール調整、航空局への申請、関係省庁への連絡、必要書類の搭載、グランドハンドリングの手配などを約2週間で行なった。
また、機体の退役スケジュールや売却先の選定を担当する航空機材・整備調達部では、これまで退役した2機の777-300ER(元JA734J、JA731J)で得た知見を活かし、デジタルツールを導入するなど運用フローを改善。通常2か月かかる整備期間を約1.5か月に短縮し、短期間で整備作業や書類確認を完了させた。
コロナ明け以降、グループ内では「最後までJALグループのスタッフで退役機を送り出したい」という機運が生まれ、この数年間で複数機において同様の対応が行なわれてきた。今後も777をはじめとする退役機で、同様の取り組みを続けていくという。
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