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ANA、第2回グランドハンドリングスキルコンテスト開催。10チームが業務で培った技能を見せる
ANAグループが第2回目となるグランドハンドリングスキルコンテストを開催。競技の形でグランドハンドリングのスキルを磨き、安全品質を高めることを目的に開かれているもので、全国から10空港のスタッフが出場。日ごろの業務で培ったテクニックを発揮した。
2025年10月28日、伊丹空港(大阪国際空港)のANAハンガーで第2回「ANAグループ グランドハンドリングスキルコンテスト」が開催された。
全国の現場で働くスタッフが技能を確認し合い、安全品質を高めることを目的に、ANAグループ各社およびANA就航空港でグランドハンドリング業務を受託する協力会社を対象とした大会。
予選はオンライン形式で実施。安全手順や装備、作業に関する知識を競い合い、上位となった、羽田、成田、仙台、福岡、神戸、鹿児島、宮崎、松山、米子、青森の10空港が出場した。
競技は、実際の到着便作業を想定した実技形式で行なわれた。2名1組で牽引車を操作し、貨物室を模したモックアップに横付けされたベルトローダーへ牽引したドーリーを寄せ付けるところからスタート。SサイズからXXLサイズまで計70個の模擬手荷物を制限時間5分以内に積み付け、その後、ドーリー牽引による狭隘地走行、運転者交代後にTT車単独での後進走行、再連結を経てゴールまで走行する一連の作業が評価対象となった。
審査は、全国56名のマスターインストラクターの中から選抜された10名が担当。安全動作、積載精度、チームワーク、時間管理の4項目を中心に、各チーム1000点満点からの減点方式で採点された。大会の基本方針は、スピードや派手な技術よりも「基本動作の徹底」を重視するもので、ANAグループ全体の安全文化を再確認する意図がある。
結果は、鹿児島空港チームの青山祐也さん、宮原知也さん(南国交通)が830点で優勝。2位は仙台空港チームの798点、3位は成田空港チームの784点だった。また、米子空港チームはGoodコミュニケーション賞を受賞した。
表彰式終了後、優勝した鹿児島チームの青山さんは涙を見せ、応援に駆けつけた同僚たちと抱き合いながら健闘を称え合った。「普段の業務では長時間連続でバック走行することは少ないが、今回の競技では日々の業務で培った確実さと連携の精度が試された」と語った。また、事前の対策として「自作したデモコースを使って、走行や操作のタイミングを確認して調整を重ねてきた」と述べ、勝因については「限られた時間の中で安全に作業を完遂する意識を持てたこと」と話した。
表彰式では、オペレーションサポートセンター 空港サポート室 グランドハンドリング企画部の曽原倫太郎 部長が総評に立ち、「この大会は派手な技を競うものではなく、基本動作の中にこそプロとしての“かっこよさ”がある」と述べた。続けて「仲間の仕事ぶりに誇りを持ち、互いに学び合うことで全国の安全品質をさらに高めてほしい」と呼びかけた。
第2回 ANAグループ グランドハンドリングスキルコンテスト 本戦出場者(競技順)
鹿児島空港
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